旅行先における子供の食物アレルギー

旅行における楽しみにひとつとして、その国・地方の食べ物を愉しむことを挙げる方も多いと思います。しかし、食物アレルギーがある子供にとっては、食べても大丈夫なものだけが食卓に出される過程とは違って、旅行そのものが苦痛となることがあります。

食物アレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)は食生活や体質によって異なるため、国や地域によって特色が見られます。アメリカではピーナッツ類が原因の第一として挙げられますが、魚介類をよく食べる至りやフランスでは魚介類が、そして日本では鶏卵、乳製品、小麦が三大アレルゲンとなっており、次いで蕎麦、魚介類、果物類、エビが挙げられています。最近は欧米のようにピーナッツ類による食物アレルギーも増えて着ています。

基本的に原因物質は個人個人によってその種類や程度が異なるのでその確認をすることが大切です。緊急時に備えて、看護師に目的地周辺の医療機関を予め調べてもらったり、旅行の出発前に医師の診察を受け、ステロイド薬や抗ヒスタミン薬などの緊急用の常備薬を処方してもらうことも大切です。

除去の目安となるアレルギー物質を含む食品表示に関しては、日本の取り組みは早く、平成13年の食品衛生法関連法令の改正に伴い、アレルギー物質を含む食品の表示が義務付けられました。欧州ではフランスのアレルギー予防協会などが中心となって、甲殻類、魚類など12の物質の表示に取り組み、EU加盟国の関係団体とEUレベルでの実現を目指していますが、海外におけるアレルゲン表示は十分ではありません。